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風にさそわれ

 8月8日は、立秋。秋立ちぬ、なんとすずやかな言葉でしょう。でも今の時代、実際の気候とは、かなりの隔たりがあります。わたしが若かった頃は、そうでもありませんでした。真夏日といっても、せいぜい三十二三度。立秋のこの時期、野山は桔梗や女郎花の花に彩られ、盆が過ぎれば、そこはかとなく秋の風を感じたものです。

 ところが今や、まだまだ猛暑日続き。九月に入っても、残暑というより、近年は夏日のつづきといった感じです。かつての桔梗や女郎花の花は野山に見られず、代わりに園芸種のそれらが、庭々に咲き誇っています。今年はさらにとても蒸し暑く、空にはメリハリのない雲が茫洋と広がっています。

 さて作手郷、テレジアの苑。山荘の入り口への道に入ると、この時期まず目にするのが、山の鬱蒼とした茂りです。そして谷にとどこおる熱い空気が肌にまといます。一年でもっとも、うっとうしく感じる季節です。わたしたち家族でなければ、この山に入る気などは、おそらく起こらないのではないでしょうか。

 わたしたちはまず、山荘の窓を開け放ちます。すると夏の風が家の中を吹きぬけ、それが谷風を呼ぶことになります。谷全体に、夏の風が吹きのぼります。むろんその風は、昔に比べれば涼しくもなく、微風という程度に過ぎません。また無風状態に陥る時もあります。それでもやはり、暑さのやわらぎにおいて、下界の市街地よりはましです。

 そして妻とわたしは、山をめぐります。全体の鬱蒼とした緑の中に、ひとつ、さらにひとつと、花を見つけてゆきます。むらさきのアキノタムラソウ。白くつぶらなヤマハハコ。たったひと茎の先に咲くオミナエシの黄花。白くレース状に花を広げるトウキ。またこの時期から、実のものも目立ちはじめます。スズラン、チゴユリの青い実。ガマズミ。ナツハゼの実は、赤と黒とのあいの色。……。

 山の木々を蝉が飛び交い、足元の草々を蛙が飛び交います。ヒグラシの声に包まれる山峡。谷を細く流れる水の音。青空をゆく雲のうごき。昼の空の白い月かげ。無音の空の無言のささやき。葉陰の憩い。風に誘われ、花に誘われ、こうしてわたしたち家族は、山の風景の中に、いつしかとけこんでゆきます。

南東の空に向かい。
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涼しげなホタルブクロ。
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夕べ、湯上がりのお灸。
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以上、2011.8.6撮影
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カイ

Author:カイ
奥三河・作手郷の風景を、「テレジアの森」から、お届けします。2010年9月より、娘の生活、生い立ちをとおして、より深い心の風景としての作手郷を紹介します。

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