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荒れゆく自然苑

 湿りを含んだ空気が山峡をただよい、暑いような寒いような奇妙な感覚の週末でした。去年、一昨年のこの時期の日記を見たら、いずれもたいへんな猛暑とあります。それに比べれば良いのかも知れませんが、でもやっぱり変な気候だと思います。

 苑の花にも、なぜか精彩が感じられません。ネジバナ、トンボソウ、ノギラン、マツムシソウなど、一見例年どおりのようです。でもなぜか、それらを見るわたしの気持ちが晴れません。山全体に、鬱々とした乱れを感じます。

 いくつかの理由があります。ひとつには、この年の天候の推移の仕方です。たとえば豊田市自宅の百合の花です。例年ならば、六月の半ばから末にかけて大輪の花を咲かせるのですが、今年はひと月以上も遅れて、萎えかかった花がようやく咲いています。同様のことが、テレジアの苑にもあるように感じます。

 また先の台風も、山の風景を荒れさせました。木々の鬱蒼とした枝々は垂れ下がり、草々は乱れ傾いています。山荘の庭の柿の実は、ほとんど落ちてしまいました。この時期の台風はめずらしく、今年はなり年だったので、がっかりです。

 また今年の草の茂りは、湿気のせいかいつもより激しいものです。枯れ松の倒木の片付けもあり、草刈り作業が追いついていません。あら草におおわれた山峡となっています。花があら草の猛々しさに負けています。そんな草の茂りのせいか、今年はオミナエシ、ツチアケビの花が見られません。環境に敏感な花なので、あるいは絶えてしまうのかも知れません。とっても残念です。

 自然に自生する草花を大切にするテレジアの苑ですが、環境の変化に負けてしまいそうです。わたしたち家族の力では、どうしようもありません。都市近郊の山村、作手郷。便利になりすぎたつけがまわってきたようです。

午後の作業を監督する加奈さん。手にしているのはクチナシの花。
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イチョウの幹のカブトムシ。昆虫の季節到来。
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なんの抜け殻でしょうか。
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以上、2011.7.23撮影
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なでしこ

 「To Our Friends Around the World Thank You for Your Support」。金メダルの花園から、世界に向けて感謝のメッセージを発信。なでしこジャパンに心から拍手を送ります。なにも書くべきことはありません。まさに「what a wonderful world」です。

 日本女性の美称とされる、なでしこの花。万葉集にも載っているほどの、日本古来の花です。なでしこの花に寄せ、亡き恋うる人を詠んだ歌。

■秋さらば見つつ偲へと妹が植ゑしやどのなでしこ咲きにけるかも
 大伴家持

 日本女性のやさしさ、あいらしさ、しなやかさ、まことの強さ、それらをあらためて思い起こさせてくれた、なでしこジャパンの選手たちでした。

松葉酒

 つゆが明け、名古屋・豊田あたりでは、連日35℃前後の猛暑日が続いています。標高550メートルの作手も、涼しいといった感覚はありません。炎天下ならば、都市部より若干ましかな、という程度です。木陰の風の涼しさが、せめてもの救いです。それと、夕方から夜にかけての涼しさが、かろうじて高原らしさを保っています。作手も暑くなったと、しみじみ思わされます。

 こうした暑さの中、草刈り作業もはかどりません。反して草は、どんどん伸びるばかり。午後の日の傾く三時を過ぎた頃から、ようやく重い足腰を動かします。さて土曜の午後、わたしが最優先して為したのは、松の枝を伐ったことでした。松の葉を摘んで、松葉酒を造るためです。松の葉を摘み取るのは、娘の加奈さんの仕事です。柿の葉陰にシートを敷き、そこに座り込んで、松の葉を摘み取ります。これは加奈さんひとりの仕事。丁寧に摘むので、延々と作業が続きます。その間、わたしと妻とは草刈り作業です。

 ところで、松葉酒を造るようになったのは、妻の高血圧がきっかけでした。ネット上で、高血圧に良い民間療法を調べていて、知りました。材料は、松に水に粗糖。作り方は、これらを混ぜて発酵させるだけ。味は、松特有のきつい感じがありますが、わたしたちにとり違和感はありません。今では、ハーブを入れて飲んでいます。きつい味がやわらぎ、それなりにおいしく感じられます。

 松もハーブも水も、わが家ではすべて天然のもの。ですから、お金もかかりません。健康とは本来、自然の恵みからいただくものなのかも知れません。ちなみに余談になりますが、わたし自身、血圧はかなり高めです。これは明らかに、酒の飲みすぎが原因しています。お金をかけて健康を害している、愚かな愚かな見本です。

これから、松の葉を摘み取ります。
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やり始めたら、一心不乱に作業します。
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正面から。ひざにいっぱいの松葉。
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もくもくと、ただ黙々と作業に励みます。
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さて、これがハーブ入り松葉酒です。自宅にて撮影。
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以上、2011.7.9.11撮影

花浄土

 二ヶ月ほど前、「寄る年波にグロッキー」と題して、松の倒木を片づけたことを書きました。安堵したのもつかの間、実はその翌週、さらに一本の枯れ松が山路に倒れ込んでいました。さすがにがっくりし、そのまま放置していたのですが、道の草がどんどん伸び、放っておくこともできず、二日の土曜、午後から片付け作業に入りました。

 土曜の夕方までになんとか片付け、日曜は体を休めるために、午前は「道の駅」などへ買い物、午後は草刈り機用超硬刃を研いだりする程度にとどめて過ごしました。とはいえ超硬刃を何枚もためていたので、この研ぎ作業にも、けっこうな時間を費やしてしまいました。ともかくやるべき作業はやり終えて、帰路につきました。

 さてこの季節、木々や草々のうっそうとした茂りに、気分は滅入りがちになります。でも少し見方を変えると、とてもうつくしい季節でもあります。春の燃え立つような華やかさではなく、落ち着きのあるしっとりとした美しさです。たとえば青葉をひろげたモミジの陰に立つとき、また青葉陰から樹幹を透かし彼方の風景を眺めるとき、湿りを含んだ微風の中でまるで異世界に立っている感覚にとらわれます。

 この時期の花も、多様です。テレジアの苑でまず目にするのが、アジサイそしてガクアジサイ、シモツケです。大樹となった夏椿の白い清楚な花も味わいがあります。ヤグルマソウ、ホタルブクロ。ギボウシの花もひらきはじめました。湿地では、緑の原にノハナショウブのむらさきが映えます。そのむらさきの色も単一ではありません。色淡い花から赤みをふくんだ色まで、さまざまです。そのほかカキラン、ヌマトラノオ、またモンセンゴケのほんとうに小さな小さな白い花、赤い花。テレジアの苑は、まさに花浄土です。

 花の記事に添え、最後に残念なことを書きます。先週ご紹介したヤマハハコ。花の様子を見に行きましたら、その場所にはもうありませんでした。掘り返したあとだけが、残っていました。もうお人好しなんかでいられないと、思い知らされました。

こんな具合に、倒れ込んでいました。
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いつも妻との共同作業です。
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加奈さんは、少し離れた位置で監督。
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ササユリを手にポーズ。
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こんな具合に、なんとか片付けました。
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以上、2011.7.2撮影
プロフィール

カイ

Author:カイ
奥三河・作手郷の風景を、「テレジアの森」から、お届けします。2010年9月より、娘の生活、生い立ちをとおして、より深い心の風景としての作手郷を紹介します。

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