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ほっと心のなごむ作手行き

 前回、作手の人為的な不良環境として、温暖化、モータースポーツ、ゴミ問題をあげました。一見ばらばらの事柄に見えますが、実は共通項があります。それは化石資源の大量消費がもたらしたものだということです。

 どれもひじょうに身近な問題ですが、同時に地球規模の問題でもあります。また歴史的、人類的な問題でもあります。19世紀の産業革命により、化石資源の大量消費が可能になりました。戦争の世紀といわれる20世紀は、化石資源の大量消費を加速させました。

 そして今、21世紀は、化石資源の大量消費による環境破壊問題に直面しています。また水や森林、あるいは生物資源など、激減をしている天然資源をめぐっての国家間の対立も表面化しつつあります。産業革命から現代に至る三百年は、人類史上おそらく未曾有の大転換期にあたるのではないでしょうか。人類の自己崩壊という言葉すら、浮かびます。反してグリーンニューディールの言葉に象徴されるような、理想的な社会が創られるのでしょうか。これらの問題に対し、わたし自身は、むろん無力でしかありません。

 まあこんなことを思いながら、作手の山の手入れをしています。森のササユリはすでに散りがた。湿地のノハナショウブも、花の盛りをやや過ぎています。草の間には、カキランやウツボグサが。カキランは黄の色、ウツボグサは淡い紫。どちらもゆたかな存在感。そのほかウメモドキの小花など。シジミやヒカゲの蝶たち。梅雨曇る27日の日曜日、異常に蒸し暑い山でしたが、ほっと心のなごむ日帰りの作手行きでした。


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自然と人為環境

 20日の日曜は、日帰り。ドライブがてら、家族三人で作手にゆきました。山荘のめぐりの山は、梅雨時そのものの風景。湿気を含んだ重々しい緑が、山全体をおおっていました。時間があれば、草刈りをする予定でしたが、床屋さんに寄ったため、今回は中止。来週からは、草刈り最優先。草刈り、草刈り、草刈りに追われます。

 こんなふうに木草が繁茂するようになったのは、印象として、十年ほど前からです。草の伸びが早くなり、放っておくとすぐにジャングル状態。温暖化の影響を実感します。以前は夏期低温多湿の風土と言われた作手ですが、今は夏期高温多湿の作手と言わざるをえません。地球温暖化は、もっとも身近な環境問題です。

 ところで環境と言えば、自然環境という言葉がすぐに浮かびます。でも作手の山で過ごすわたしには、人為環境とでもいうか、そんな語が浮かびます。温暖化もそのひとつ。そして長ノ山湿原近くのサーキット場の騒音。モータースポーツなどと言っていますが、他人には迷惑以外のなにものでもありません。さらに誰が捨てるのか、ゴミ問題。

 ずっと以前、作手の峯田さんが、作手にはあまり人が来ないでほしい、と言っていました。静かで植生豊かな自然環境と、家の鍵をかける必要のない治安の良さ。町では味わえない風土が、二十年前にはありました。でも今は、もはやそうしたものはありません。かつてのなごりの風景が、かろうじて残っているにすぎません。

ひそやかな花たち

 五月の山は、若葉の中のツツジに象徴されるように、一年でもっとも華やかな季節です。そののち六月に移る頃、山の花はひとときの休息を迎えます。自生する花の代わりには、二十年前に植えたフランス菊が、山路のあちらこちらに咲き誇ります。

 そして梅雨に入る頃、山の花たちはふたたび咲き競うようになります。ただし、ひそやかに。この時期の花の色は、ほとんどが白。花の形はといえば、たとえばガマズミは小花を集めた質素なイメージです。足もとに咲くユキノシタも、はかなげです。

 ドクダミも咲き始めます。白い花も葉の形も単調。匂いを嫌う人すらいます。わたしはなぜか、ドクダミの花になつかしさを感じます。子供の頃は、葉を揉んで傷口につけたりしていました。十薬と呼ばれるほどの薬効があるとのこと。

 ドクダミは別として、この時期の花には、甘い匂いを持つものがあります。散りがたになったエゴノキ、かなり濃厚です。スイカズラ、ほのかに甘く。湿地周辺に咲くタンナサワフタギはほどよい甘さ。甘い香りを放ち、虫たちを誘っているのでしょう。

ササユリがつぼみを

 ササユリが十本ほどつぼみをつけています。つぼみをつけていないものまで含めると、三十本くらいでしょうか。一気に増えました。二年前くらいに、鹿除けのネットを張り巡らしたのが功を奏したようです。

 その場所には毎年、三四本のササユリが咲いていました。そのササユリを守ろうとしたわけではありません。同じ場所にあるシュンランが鹿に食われ、ほかにヤマイワカガミなどがあるため、それでネットを張ることにしました。

 去年の時点で、ササユリの株が増え始めたことに気づきました。でも茎葉も小さく、花が咲くまでには、まだまだ年数がかかるだろうと思っていました。それが今年は、いきなり花十本。来年が楽しみです。

 わたしどもの山はもともと、ササユリの群生地でした。百株以上はあったと思います。それが或る年を境に、パタリと咲くのが見られなくなりました。今から思えば、猿か猪に球根が食い尽くされたのでしょう。十五年ほど前のことです。

 さてせっかく増え始めたササユリ。なんとか守りたいものです。トタンをめぐらすのが、もっとも確実だと聞きました。でもさすがに見た目が……。結局、防護ネットを二重に張ることにしました。先週末はこの作業をして過ごし、あとは猪などに荒らされないよう祈るばかりです。

プロフィール

カイ

Author:カイ
奥三河・作手郷の風景を、「テレジアの森」から、お届けします。2010年9月より、娘の生活、生い立ちをとおして、より深い心の風景としての作手郷を紹介します。

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