FC2ブログ

遅い春

 ひといきに暖かくなるのかと思ったら、いきなり寒くなりました。標高550メートルの作手の里では、氷りさえ張ったとのこと。山荘のめぐりの花も、一週間前とあまり変わりません。新たにコスミレがいくつか、花を咲かせていました。遅い春の歩みですが、確実に春が近づいています。

 先週、下山の和合地区でのツクシ摘み風景をメモし、それを記事にしました。短歌に詠みましたので、ご紹介します。

(下山和合地区)
黄の色に花霞すると見ゆるまでクロモジは咲く山あいの道
艶持てる細きみどりの枝々に黄なるクロモジの花咲き匂う
黄の花のクロモジ仰ぎ立つ山路遠く鶯のさえずり聞こゆ
遠近く谷山を渡る鳥々のさえずりは澄み空にひびけり
朝の日の山の茂みを透かすとき黄の花輝くひとところあり
古岩の乾ける苔ゆ生い出づる花はスミレか濃きむらさきの
古岩の苔より生うるむらさきの花はスミレか指もて触るる
去年(こぞ)のごと今年もツクシ摘みに来ぬ日当たりの良きこの草土手に
草萌えのみどりが中の小さき花イヌノフグリは地をうずめ咲く
地をうずめイヌノフグリの咲く見れば心おさなく星を想えり
うらうらと日のふる土手にツクシ摘む老いたる妻と和合の里に
そよ風は老いたるわれの身にも吹きしばしを吹きて過ぎてゆきたり
かく老いしわが身に吹けるそよ風を愛(かな)しみにけり心若やぎ
草土手の低きへと下る水路ありさざれ波立ち水滑りゆく
ひかりは揺れ水はゆるやかに流れゆく土手の下なる水路の堰を
ツクシ摘む土手に見おろす棚田広く谷の向こうに檜(ひ)の山そびゆ

 詠んで間もない今は、正直、物足りなさを感じます。でも年月を経て読み返してみると、けっこう良い思い出になります。作手の山荘風景を中心に、週に二十首以上を目標に詠んでいます。少々苦しんで詠んでいますが、これからも可能な限り、続けてゆこうと思います。
スポンサーサイト



再びツクシ摘み

 20日の土曜は、先週に引き続き再びツクシを摘みました。場所は下山の和合地区。作手の山荘に向かう途中の、山なかの里です。山々に囲まれた、やや広めの棚田の土手。先週の木和田同様、わたしたち以外にツクシを摘む人もなく、あたたかな日差しの中、妻とともにツクシ摘みを楽しみました。

 摘んでいるさなか、つくづく感じたのは、里山風景のうつくしさです。ちゃんとした文章にはできませんが、短歌に詠むため、メモしたものがありますので、参考までに列記しましょう。ちなみに先週の木和田地区も、20首ほどの歌にまとめました。

 クロモジ/ウグイス/光り透く黄の色//日当たる岩の苔に咲くすみれ/むらさき//白梅/道を少し離れてありふれて//ツクシ/急斜面の土手/イヌノフグリ/萌え草みどりの青い星/ゆるやかな棚田/田おこし/春かすむ山/堰の水/ゆるやかな流れ/光る水/ゆらゆらとあるいは小刻みに/そよ風/遠くで鳴く鳥/

 さてこうした里山風景の美しさは、地元のみなさんが自主的に田畑や家まわりを管理していることで、保たれています。都市近郊での税金を使用しての草刈りなどとは異なり、いわば自立した精神によって、風景美が保たれています。このシステムは、財務状況の厳しい日本の今後を考えるうえで、いろんな意味でとても参考になるのではないかと、思います。


早春の野草摘み

 13日の土曜は、野草を摘んで過ごしました。毎年この季節になると、木和田の集落に行ってツクシやノビルを摘みます。今年は加えて、ヨモギを摘みました。やはり時期が少し早すぎたようです。ツクシは出始めたばかり。ノビルの白い玉は、まだ小さめでした。山荘に戻ってからは、さらにノカンゾウを摘みました。

 ツクシは卵とじ。ノビルにノカンゾウは酢みそ和え。ヨモギは草餅用に冷凍保存。わが家の定番の調理法です。夕餉の酒の肴にもピッタリ。この季節、この味のなつかしさ。年に一度や二度は、食べたくなります。

 ところで調理法と同様、摘み頃も人それぞれの好みがあるようです。たとえばツクシ。わが家の場合、以前は穂の胞子が半ば抜けそしてほほける前のものを摘んでいました。それが十年くらい前に、ある方から、ツクシの穂の胞子が抜けていないものが、肝臓に良いと聞かされました。それ以来、青い穂のツクシを摘むようになりました。今では、穂の部分の苦みをおいしいと感じます。

 さて野草を摘むのは、菜にするという実用性からだけではありません。それだけでなく、季節の恵みをいただく楽しさ、そして家族みんなで野に摘む楽しさも大いにあります。これからしばらくは、野草を摘んだり木の芽を摘んだり、しあわせいっぱいな春の季節となります。

マンサクの花

 先日、ネットを辿っていたら、次のようなサイトに出会いました。
「石井明子 歌集『千春萬冬 鈴鹿の山を謳う』に寄せる」

 最近、短歌を詠むことなどが苦しく思われ、なにかの参考にと、他の方の短歌サイトを辿っていたのです。その中で、目をひいたのが上記のサイト。すなおでおおらかな詠みぶりに、ほっとこころなごむものがありました。ちょうど今の季節の、マンサクをうたった作品があります。

■早春の明るき林にまんさくの黄の花にほふ藤原の山

■風花のひとひらふたひらまんさくにとまらむとしてゆられゆれゐる

■ありなしの風にさゆらぐまんさくの花のむかうにみづいろの空

 女性ならではの、やさしくあたたかな作品です。同じ短歌作者として、とてもうらやましく、思いました。石井明子氏は、山の歌人として有名だそうです。

 さて、作手の山のマンサク、花はすでに散りがたになっていることでしょう。先週末の土日は二日続きの雨で、山荘には行きませんでした。

■かの里のマンサクの花散りたる哉きのうも今日も雨に籠りぬ

仏頭岩と雲龍ガシ

 先週触れた「仏頭岩と雲龍ガシ」。写真におさめましたので、ご紹介します。

 なお去年の九月に、森楽さんのブログでも触れられています。
 森楽さんのブログ、「雑木林で森を楽しむ!」から
 -作手名木調査の報告は続きます!-

 まず仏頭岩。山の斜面に突き出た大岩が、まるで切り取られたような断面。そして中ほどに深い亀裂があるのが特徴です。
butto01.jpg

 正面近くに、位置をずらして写しました。
butto03.jpg

 これが正面から見た全体像。仏頭岩の右上に見えるのが、雲龍ガシ。写真では実感できませんが、いずれもはるかに見上げるほどの高さです。
butto04.jpg

 向かって少し右の位置から。右の黒っぽい木が雲龍ガシ。
butto05.jpg

 雲龍ガシを中心に、写しました。根方のうねり具合は、ラオコーン像を想起させます。
butto07.jpg

 仏頭岩と雲龍ガシ。妻曰く、心が荒んだ時にこの前に立てば、きっと心が休まるだろう、とのこと。なんとなく、同感。不思議に静謐なおもむきがあります。

プロフィール

カイ

Author:カイ
奥三河・作手郷の風景を、「テレジアの森」から、お届けします。2010年9月より、娘の生活、生い立ちをとおして、より深い心の風景としての作手郷を紹介します。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード